3原則はいずれもこの主旨にもとづきます。
このガイドがお願いしているのは、書き手が処理内容を把握していなくても書けてしまう表現を使わないという1点です。
比喩や擬人化、要約めいた抽象語は、中身を確かめないまま文を成立させます。書き手にとっては楽ですが、読み手には何が起きるのかが伝わりません。事実と動作をそのまま置く文は、書く前に内容を確認する必要があるので、理解の浅さがそのまま文面に出ます。この状態を保つためのルールが次の3原則です。
主語が人ではないものに、人の動作の動詞を当てる書き方を避けます。
主語が人や生き物ではないのに、人の動作を当てている動詞が最も出やすい形です。
| 使いやすいが避ける表現 | 書き換え | 何が問題か |
|---|---|---|
| 手作業をツールに引き取らせる | 手作業をツールで自動化する | 擬人的な比喩。見出しは動作をそのまま書く |
| ここは機械に渡せる | ここは機械に負担させた方がよい | 比喩で終わらせず、判断として言い切る |
| 質問が返る | 質問が返ってくる | 縮めた言い方は口語寄り。省略しない |
| 直接さわる場面はない | 直接編集する必要はない | 口語。書き言葉の動詞にする |
| PCで動くツール | PC上で動作するツール | 同上 |
| 文章にして置いておくだけで | 文章にして用意しておくだけで | 同上 |
渡す・引き取る・任せる・支える・後押しする・寄り添う・紡ぐ・描く・照らす・浮き彫りにする・紐解く、および「〜してくれる」が、避けたい動詞の例です。
文字数を詰めるときも語形は崩しません。
文字数や尺を詰めるとき、文を削らずに語を削ると、日本語として不自然になります。読み手はその不自然さを敏感に検知します。一般的なテクニカルライティングの語形に戻してください。
| 削って不自然 | 一般的な書き方 | 何を削ったか |
|---|---|---|
| 自由が減る | 自由度が下がる | 「度」 |
| 損得が働く | 損得勘定が働く | 「勘定」 |
| 思考が落ちる | 思考力が下がる | 「力」 |
| 決定権を返す | 決定権を相手に返す | 目的語(誰に返すか) |
| 逃げ道がなくなる | 相手の逃げ道がなくなる | 所有者(誰の逃げ道か) |
| 本人の口から出させる | 本人の口から言ってもらう | 使役の形に縮めた |
効果や状態の中身を書かないまま文が成立してしまう3語です。
| 語 | 避ける例 | 書き換え |
|---|---|---|
| 効く | CTRに効く | CTRの改善に有効/効果的 |
| 効く | PV回復に直接効く | PV回復で最も大きな部分を占める |
| 効く | 3つの指標に同時に効く | CTR・回遊率・CV率を同時に押し下げる |
| 壊れる | 一斉更新で前提が壊れる | 一斉更新により、前後の数値を比較できなくなる |
| 設計 | 読者の体験を設計する | CTAの位置と文言を決める |
| 設計 | 導線を設計する | どのページへ送るかを決める |
3原則と同じ理由から次の4点も守ってください。
入稿前に7項目を1回ずつ確認してください。